2025-06-12

- 基本的には「直火ストレートは木工・皮革向き」、「直火L字型は食品向き」とご案内している所が多いと思います。
- 昔から焼印がどの様な現場で使われているかの「通例」でもあるので、私もそのようにご案内する事が多々ございます。
- ですが、この記事ではちょっと視点を変えてご案内いたします。
- 「木工・皮革向き」「食品向き」ではなく、直火ストレートは「オールマイティ型」で、直火L字型は「特化型」といった感じ思って頂いてOKだと思います。
- 「直火ストレート」は真っ直ぐの棒なので、「ハンコ」を捺すような作業感覚です。
- 「直火L字型」は先が曲がっているので、「トンカチ」です。トンカチの叩く部分が焼印になっている感じです。
- ここで大きく違うのはコテの形状もそうですが「腕の使い方」になります。
- 「直火ストレート」はアイスピックで氷を砕く感じ、子供がグーでテーブルをバンバン叩く感じで「肘から下全体を上下しながら」使います。
- 「直火L字型」は音楽の指揮者が指揮棒を細かく振る感じ、釣竿を振る感じで「手首を振りながら(返しながら)」使います。
- すると、「焼印(印面)へ伝わる力と加減」の調節が全然異なりす。(実際やってみないと分からいとは思うのですが、そうなんです!)
- 直火ストレートは力が伝わりやすいので、数値で云うと1~10まで入れられます。
- 直火L字型は力が伝わりにくいので、1~5まで入れられます。
- 力の入れ具合で焦げ方が変わるので、柔らかいモノでしたら優しい力で捺したいので「直火L字型(特化型)」でOKです。「直火ストレート」で力を上手く伝えてグッと捺した方が良いのは、特に「カチカチの木材」や「皮革」です。
- 次に、どういった「面」に捺すかです。弊社の従業員でも意見が分かれますが、平面には「直火ストレート」が作業しやすいというのが通例でもあり、意見も多数です。
- 個人的な意見では、結局は「慣れ」ですので、「平面だし木だし・・」だから「直火ストレートだ!」と固執しなくてよいです。正直、どちらでも捺せます!
- 特に湾曲した木や竹などは「直火L字型」の方が作業しやすい(=写しやすい)場合が多いです。この場合は、片手に木や竹を持って作業してみて下さい。捺しやすさが全然違います!
- では「直火L字型」がなぜ特化型かと云うと、「湾曲面に優しく捺したい」といった場合に都合が良いからです。そうなると必然的に昔ながらの「和菓子屋さん」がなぜ「直火L字型」を使っているか?も判明するのです。そしてそれが「通例」になったのです。
- しかし、最近は電気式も普及して「ストレート」に切り替えるお店が多いです。つまり慣れです!元も子もないですが・・。
- ベースの考えとして「木や皮革は直火ストレート」で「食品系は直火L字型」と考えてOKです。
- オールマイティに色々なモノに捺してみたいな!となっている場合は「直火ストレート」で良いと思います。
- 「通例」でのコテ形状での向き不向きは「あえて言ってはいるが」、初めて使うのであればそこまで固執する程の理由ではないので、迷った際はベースの考えでOKです。もちろんご相談もお気軽にどうぞ!
- 「それに捺すのに直火L字型では無理ですよ!」という事例は年に1~2件はあるので、「私のやりたい事はちょっと特殊かも?」と思った際はご相談を!